左利きの脳は天才?左利きの特殊能力は?左利きの特徴を科学的に解説してみた

左利きの脳、特徴

こんにちは、笹木です。

今回は、「左利き」と脳の関係についてです。

僕は生まれつき左利きなのですが、左利きに特殊なイメージを持っている人は多いです。

左利きであることが悟られると、珍しがられることも多いし、

「運動神経はいいのか?」
「絵は上手いのか?」
「理数系が得意なのか?」

とか勝手なイメージを持たれることも多い。

小さい頃は、そんなことを言われると戸惑ったし、
「世の中の左利きってそんな人たちばっかりなのか?」
と思ってたけど、

やはり、利き腕だけであらゆる能力が決まるほど脳は単純ではないです。

今回は、そんな左利き・右利きが脳の働きに影響するのか。
左利きの人の特性からわかる生き方と記憶力について、解説していきます。

左利きはなぜ少ない?

左利きの割合は全体の人口の約10%と少数派です。

でも実は、霊長類の中で左利き・右利きの割合に偏りがあるのは人間だけなんです。

なぜ人間だけ、右利きが多数派なのか。

これには複数の説があって、よく言われているのが
「左利きは戦いで不利だったため生き残れなかった」
という説です。

この説は心臓が体の左側にあることが由来しています。

盾と剣を使って戦っていた時代、右利きは右手に剣、左手に盾を持っていたので左側の心臓を盾で守りやすかった。

だけど左利きは持ち手が逆になり、左手に剣、右手に盾を持っていたため左側の心臓を守りにくく、生き残れずに淘汰されていったというもの。

こう聞くと、
「へー、なるほどねー」
とか思ってしまいそうですが、実はこの説はかなりいい加減だと言われてます。

というのも、人類の長い歴史の中でも、剣や盾を使っていたのは一部の時代と地域であり、昔から左利きの割合は、場所に問わず一定で約10%前後だからです。

現代でも左利きがなぜ生まれるかはっきりわかってないけど、最も有力なのは、遺伝です。

統計的にも、両親に左利きがいる家庭の方が左利きが生まれる確率は高く、イギリスの王室に左利きが多い(エリザベス2世、チャールズ皇太子、ウィリアム王子など)こともこの遺伝説を裏付けています。

またイギリスのオクスフォード大学の研究では、特定の遺伝子が左利きかどうかを決めているという報告もしています。

左利きは脳の特徴とは?

人の論理や言語を使うときは左脳が中心に働き、直感や空間認識力は右脳が中心に働くと言われてて、右手は左脳と、左手は右脳と繋がっています。

このため、右利きの人は論理や言葉を扱うのが得意で、逆に左利きの人は感性が鋭く、運動や芸術系の分野が得意なんだ、とかよく言われてます。

左脳と右脳の特性を説明した図

ってことは、利き腕が逆だと脳の使い方や構造も逆になるの?

という疑問を持つ人もいるかもしれない。

僕も、「そもそもなぜ「利き腕」というものが存在するんだ?」
「なんで自分は左利きなんだろう?」

と純粋に思っていました。

左利きのカギは脳の「言語中枢」

この利き腕が決まる要素の一つには、脳の言語中枢という部分が関わっています。

言語中枢というのは、言葉をしゃべったり、理解するときに使う脳の場所。

人間が、他の動物と最も違う点は、言葉を扱う能力がずば抜けていることです。

このため、他のサル科の動物と比べても、人間は言語中枢が発達しています。
「言葉を扱うのは左脳」と言われるのは、ほとんどの人の言語中枢が左脳にあるから

で、左脳と右手、右脳と左手はつながっているため、言語中枢がある左脳とつながっている右手が利き腕になりやすくなっているのです。

ところが左利きの場合。

この言語中枢のある場所が右利きとは明らかに違っています。

右利きの人の95%以上は、言語中枢が脳の左脳にあるのに、左利きの人の約50%は、この言語中枢が右脳にある

この結果から、言葉を扱う言語中枢が左脳にあるなら右利きに、逆に右側にあるなら左利きになりやすいと考えられています。

左利きの脳の構造にも個人差はある!

じゃあ、「左利きの人は脳の構造が逆になっているってことか?」というと、そうシンプルじゃないのがややこしいところ。

左利きにも、

 ①言語中枢が左脳にある (脳の構造が右利きと同じ) 

 ②言語中枢が右脳にある (脳の構造が右利きと逆) 

 ③言語中枢が左脳・右脳両方にある

と3種類のパターンがあるんですね。ちょっとややこしいんだけど、③みたいな「左利きと右利きの中間」みたいな脳を持つ人もいるので、左利き、右利きというのはきれいにわかれるわけではなくて、同じ左利きでも「左利き度」みたいな個人差があるってことですね。

実際、左利きの人でも、「箸を使うのも字をかくのもボールを投げるのも全部左利き!」みたいなタイプもいれば、「字をかくのは左だけど、橋は右手」みたいな感じで使い分ける人もいますよね。

こういう個人差があるのも左利きの中でも②や③みたいに、脳の構造に個人差があるからだと考えられます。

まあともかく、
「言語中枢が右脳にあるか、左脳にあるか」という単純な2パターンだけで、利き腕がきれいに決まってるわけではないってことになります。

それでも、ほとんどの右利きは言語中枢を左脳にしか持たないっていうのは事実なんで、利き腕を決まるのに脳の構造が関わってることは間違いないです。

左利きには特殊能力あり?天才が多い?

右利きは左脳が発達しやすいのに対し、右利きとは逆の手を使う左利きは、右脳が発達しやすい、とよく言われています。そもそもこれってホントなの?って話。

実際に2300人以上の被験者を対象に色んなレベルの数学の問題を解いてもらい、左利きと右利きの人の成績を比較したところ、

難易度の高い問題ほど、左利きの人の成績が高かったという結果が報告されています。

この結果だけ見ると、「左利きは右脳型なんだ!天才!」という印象になるかもしれないけど、この研究からわかったのはそういうことではないんです。

重要なのは、成績が良かった左利きは「左利きは左脳と右脳をバランスよく使っている」ってことがポイントだということ。

このことは、脳の左脳と右脳の連結部分である「脳梁(のうりょう)」というところを、
左利きと右利きで比較した研究からもわかっています。

脳の断面図

脳梁が大きいと、左脳と右脳が上手く連携し、情報処理能力が高くなりますが、
左利きは右利きに比べ、脳梁が約10%も太いんです。

これは、少数派の左利きが、右利きばかりの社会で生きていることが関係してます。

右利きの人はあまり感じないかもしれないけど、世の中のあらゆるものって右利きに合わせて作られています。そのせいで、左利きは普段の生活でも左手だけじゃなく右手も使うことが多い。

このため、左利きは左脳、右脳両方がバランスよく発達して、脳梁が太くなり、情報処理能力が高くなる傾向にあるってわけです

これは「左利きに生まれつき才能があるわけではない」ことの証明にもなっています。

左利きは、右利きに合わせて苦労しているうちに、自然と脳の機能が高まった。

逆に言えば、左利き右利き関係なく、左脳、右脳の両方をバランスよく使えば脳の機能は高められるということ。普段から左右の手をバランスよく使うことは脳を鍛えることになるだろうってことですね。

左利きの性格的特徴と年収

左利きの人の性格的な特徴を調べたところ、「調和性が高い」という傾向があり、右利きより年収が10%ぐらい低いこともわかりました。

調和性が高い性格というのは、よく言えば「協調性が高い」ということだけど、悪く言えば「弱気である」ってこと。

そして、左利きの中でも内向的で不安を感じやすい人の場合、その弱気な性格から交渉の場面でも負けやすく、
年収が低くなる傾向があるんです。

確かにこれは、左利きの自分からしてもなるほど、と思います。自分の性格的に、すぐ人に譲っちゃうようなところってあるよなーって。

この研究結果は左利きの人にとって知りたくないような話だけど、別に悲観する必要は全くないと思ってます。

だって、生まれつき内向的で弱気な性格だとしても、自分自身が成功体験を重ねれば、外交的で協調性のある人間にだってなることは可能です。

僕も、記憶術を習得したり、色んなことに挑戦していくことで自信がついて、以前より確実に社交的になりました。利き腕関係なく、外向性や自信だって、後天的に身につけられるものだと感じてます。

もともとの持っている自分の性格も活かしつつ、自分にとって少し挑戦的な行動を積み重ねていくことが大事なんじゃないかなーと思います!

左利きの寿命は短い?

これまたあまり聞きたくない、「左利きは短命である」という説。耳にすることも多いです。

この説の由来は、アメリカのカリフォルニア州で平均死亡年齢を調べた調査で、左利きが右利きより寿命が9年も短かった(右利き75歳・左利き66歳)という報告が元となっています。

この理由は、世の中のもののほとんどが右利き用に作られているため、

・左利きは交通事故に遭いやすい
・左利きにとってストレスが蓄積され、病気を発症しやすい

などが原因だろうが考えられています。

確かに、左利きの自分も不便に感じることは多く、

・ハサミがきれない
・ボールペンがすぐかすれる
・食事で隣の人と腕がぶつかる
・テーブルがくっついている椅子(会議などでよくある)が使いにくい
・習字が上手くできない
・急須が注ぎづらい

とか小さなストレスはたくさんあるんですよね。

だからといって、これで寿命が縮まっているとも思えないけど、統計的なデータはでているので交通事故には人一倍気をつけたほうがよさそうだなと思う次第です。

 

まとめ

左利きと脳について書いてきましたが、
まとめると、

脳の言語野の場所が右脳にあるか左脳にあるかは、左利きになるかどうかにかなり関係してる!

だけど、左利きの人でも脳の構造には個人差があって脳の構造が右利きと逆になっている場合もあれば、同じ場合もある

左利きは、右利き社会に合わせるために、右脳・左脳バランスよく使う必要があるため脳梁が太くなり、情報処理能力が高い傾向がある。

性格的には、内向的で資本主義社会で負けやすく、年収も低い傾向にある

左利きは右利きより寿命が9年短いという統計結果がでている右利き社会によるストレスや事故に気をつけた方が良い

脳を効率よく使って情報を処理する場合、右脳、左脳バランスよく使うことが大事ですが、記憶力の場合はどうなのか。

世の中には、右脳を鍛えることをやたら強調し、根拠のない方法を宣伝しまくる人もいますが、やはり、効率よく記憶するためには右脳・左脳をバランスよく使うことも重要です。

左脳は文字や言葉などの情報、右脳は映像など視覚的な情報・イメージで記憶してます。

脳は右脳だけ、左脳だけが働くということはないため、それぞれの力を生かして記憶するのが最も効率が良いわけです。

例えば、歴史で江戸時代に関する知識を覚えるならば、左脳を使って語呂合わせなどで、人名や用語の名前を覚え、大河ドラマや映画・歴史小説などで歴史の流れを映像として覚えていく、という覚え方も左脳・右脳をバランスよく使った例です。

記憶術にも種類がありますが、覚えたものを忘れない知識として脳に定着させるには、論理の左脳・イメージの右脳をバランスよく使う記憶術が不可欠です。

左利きに特有のイメージを持つ人は多いですが、左利きだろうが右利きだろうが、運動神経がずば抜けている人、成績が優秀な人など利き腕に関係なくたくさん存在します。

にもかかわらず、日本人って、なぜか才能や生まれ持った特性を決める診断が好き。

「自分は右脳型か、左脳型か」
「男性脳か、女性脳か」
「論理型か、直感型か」
「体の特徴や仕草から自分のルーツを知る…」
などなど。確かに話題としては面白いですけどね。

自分の特徴や強みを知って日常生活に生かすというのも1つの手段かもしれないけど、中には何の根拠もない、いい加減な説や診断もあります。

何より、1つの要素で自分の特性を決めるのは、自分の限界や選択肢を狭めることになりかなり危険です。「自分は○○だから」って型にはめこんじゃうのってもったいないと思うんです。

僕自身、昔から自分には何の才能もないと思っていたし、コンプレックスばかりでした。

だけど、僕の場合は記憶術というものに出会ったこどえ、「記憶力や頭を使う能力って、正しい方法を知ることで後から簡単に身につけられるんだ」ってこと強く実感でき、そこから徐々に変わっていきました。

そんな経験もあるので、自分の能力などに自信を持てない人は記憶術にチャレンジしてみるのもおすすめです。

記憶力というのは誰もが持っている能力にも関わらず、ほとんどの人はその力を活かす方法を知らないがために、色んな部分でかなり非効率な生き方をしています。

そんな中で記憶術を知っていると、知識も際限なく吸収できるので、どんな分野にいってもなんとかなる、
という状況に持ってこれます。

記憶術については、下のおすすめ記事の中でも紹介しているので、よければ読んでみて下さい!

今回は左利きについてでしたが、何となく疑問に思っている人も多いのかなと思い、記事にしてみました!

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