司法書士と行政書士のダブルライセンスは稼げる?2つの違いと利点を徹底解説!

ダブルライセンス取得

こんにちは、笹木です。

今回は司法書士と行政書士の違いやダブルライセンスについて。

何となく、似た系統の資格ではあるけど、どんな違いがあるのかって法律系の仕事をしてない普通の人からすると知らない場合が多いです。

何となく、「司法書士の方が難しそう」、「できる仕事が多そう」というイメージを持っている人は多いよう。また、よくあるのが、司法書士と行政書士のダブルライセンスは有利なのか?稼げるのか?という疑問です。

今回は、知っておくべき司法書士と行政書士の違いと、ダブルライセンスにどの程度の利点があるかを解説していきます。

司法書士と行政書士の仕事の違い

行政書士の仕事

司法書士と行政書士のダブルライセンスがどの程度有利になるのか。

それを知るためには、まず司法書士と行政書士の仕事の違いを知っておく必要があります。名前のとおり書士なので、どちらもざっくりいってしまえば書類作成がメインの仕事ともいえます。違いとしては、仕事で作成した書類をどこに提出するか?という部分に注目するとわかりやすいです。

・行政書士の書類提出先→市や県の役所などの行政機関

・司法書士の書類提出先→裁判所や法務局

行政書士のライセンスでできる仕事

行政書士の代表的な仕事は役所に出す許認可などの書類を依頼人の代わりに書いてあげて提出してあげる、というもの。

例えば、飲食店を始めようと思った場合には官公庁の許認可が必要になります。

この許認可を得るためにはたくさんの書類を官公庁に提出しないといけないです。だけど、飲食店を始めようとする人がすべての書類を正確に書いて提出するのは荷が重すぎる。そこで、許認可申請を知り尽くした行政書士に書類の作成や提出を依頼して、行政書士が手続きをしてくれるんです。

この他にもは契約書や遺言書、決算書などの作成も行政書士の仕事です。これは行政書士が証人となることによって後にトラブルを発生することを防ぐ機能を果たします。

外国人の日本への帰化申請やクーリングオフなど様々な分野での書類作成も行政書士の仕事となります。

ちなみに、最近の法改正によって「特定行政書士」という制度もできました。「特定行政書士」と認定されると、提出した書類に対する役所の取り扱いに不満がある場合に文句を言えます

例えば先の飲食店の開業許可申請が却下された場合、一定の研修を受けて認定された行政書士は官公庁に不服申し立てをし、不許可処分を見直すように要求することが可能になりました。

ここまでをまとめると、官公庁がらみの許認可がうまく通るように様々な手段を講じるのが行政書士の主な仕事というイメージです。

司法書士のライセンスでできる仕事

一方で司法書士の代表的な仕事は何と言っても登記申請。これが司法書士の独占業務になっているのが行政書士との大きな違いの1つです。

登記といっても、あまりイメージが湧きづらいかもしれないですね。土地や建物を所有する場合や会社を設立するときに必要な手続きのこと。土地や建物ならその所有者や場所などの詳しい情報、会社を設立するならその会社の情報を法務省に提出しなければいけないんです。

例えば土地を買った場合、売主から買主に土地の所有者の名前を変えないといけない。この所有者が変わったことを登記所に知らせ、公的な記録である登記簿を書き換えてもらうようにするのが司法書士の登記申請の仕事です。

また、裁判所の訴状の作成、簡易裁判所での代理人業務などの仕事もあります。

簡易裁判所では、一定の研修を受けて試験に合格した「特定司法書士」に裁判を行う権利が与えられます。弁護士と同じような裁判活動も司法書士の業務の一つとなりました。

その他にも法律の専門家として相続や会社運営などについて法的なアドバイスを行っています。

違いといっても、相続や会社設立のの手続きなど、一部は行政書士であっても担当できたり、司法書士と行政書士の業務の範囲の違いはとてもややこしいのも事実です。

司法書士と行政書士の試験の違いは?

ダブルライセンス取得となると、当たり前ですが、両方の試験を受ける必要があります。

まず、試験の合格率。

司法書士の試験の合格率は3%~4%に対し、行政書士は6%~12%。難易度としては大きな違いがあるといってよいです。捉え方はひとそれぞれですが、行政書士が簡単というよりも、司法書士がかなり難しい、と感じる人が多いと思います。

また、試験科目は行政書士が 、
一般知識・憲法・民法・行政法・会社法・地方自治法

なのに対し司法書士は、
憲法・民法・刑法・会社法・不動産登記法・商業登記法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法

と、試験科目が大きく増えます。また、司法書士はこれに加えて口述試験も受けなきゃいけない、というのも大きな違い。この口述試験は筆記試験に合格した人のみが別日に受験します。

 

司法書士、行政書士ダブルライセンスの持つアドバンテージ

ダブルライセンスの仕事

司法書士と行政書士どちらのライセンスを持っていた方が仕事としてはよいのか?

司法書士の方が試験の難易度が高いので、司法書士のライセンスを取得した方が仕事も有利なのでは?と思いがち。確かに、試験として見れば、

「行政書士試験の難易度高いバージョン」 = 「司法書士試験」

という認識は合っていて、司法書士の試験に受かる人なら行政書士にも楽に合格できる、ということはあっても、逆は厳しいです。

だけど、ライセンスの観点からいうと、司法書士には司法書士の独占業務、行政書士には行政書士の独占業務がそれぞれあり、仕事の範囲に違いがあります。このため、どちらの資格でも、それだけではできない仕事はあるわけで、どちらのライセンスが有利か?というのはどちらの業務もできる方がいいってことです。

つまり、司法書士と行政書士の2つの資格、ダブルライセンスを持っていた方が仕事をする上では圧倒的に有利になります。

例えば、相続問題について。

遺産の分割方法をまとめて、それを書類にすることまでは行政書士ができます。

だけど、その後には現実問題として相続人の名義に土地の登記を変更するという作業を行わなければなりません。登記は司法書士の業務であり、行政書士が行うことはできません。

相続人はこの場合、行政書士の事務所から今度は司法書士の事務所へ行く羽目になります。

でも、もしダブルライセンスを持っていたら、1つの事務所ですべて登記まで完結するので依頼人からするとすごく楽。当然、依頼人は片方のライセンスを持っているだけの人より両方のライセンスを持っている人のところへ行きやすくなります。

難関試験であっても、片方のライセンスを持っている人はたくさんいます。ライセンスさえ取得すれば、仕事に困らないという時代でもないんです。

だからこそ、たくさんの同業者とは違う武器で差別化することが重要。依頼人を引き寄せるにはダブルライセンス取得こそ、大きなアドバンテージになることは間違いないです。

 

行政書士はダブルライセンス取得の一歩

そうはいっても、ダブルライセンスなんて無理じゃない?と思う人も多いかもしれないですが、現実に司法書士と行政書士の2つのライセンスを持っているし、ダブルライセンスという、「いかにもすごい」イメージほど難しくはないです。

ダブルライセンスを目指すにあたり、まだ資格を全く持っていない人なら、迷うことなくまず行政書士資格を取得するべき。上でも書きましたが、司法書士試験の難易度と行政書士試験の難易度を比較した場合、行政書士試験の方がはるかに合格しやすいからです。

例えば、どちらの試験も民法や会社法が出題されますが、求められる知識量は司法書士よりも行政書士の試験の方が圧倒的に少ない。

まずは、行政書士試験で法律のコアとなる知識を自分のものにすることを優先することがステップとして重要です。

さらに、行政書士試験の勉強をすることで法律の勉強の仕方が身につけられます。法律の勉強は単なるまる暗記ではないので、勉強の方法を習得できるという意味でも行政書士から始めるのはおすすめです。

司法書士,行政書士ダブルライセンスの一発取得は可能?

行政書士からライセンスを取得するのが王道ですが、司法書士試験の勉強をしながら行政書士試験を受け、両方合格し、短期間にダブルライセンスを取得してしまう人もいます。

確かに、一つずつ取得すると最短でも2年かかるし、一度にダブルライセンスを取得できれば、かなり時間的に短縮されます。

だけど正直、それまで法律系の勉強をしてこなかった人が一度にダブルライセンスを取得するのはめちゃくちゃしんどいと思う。

「自分は勉強に苦労したことないんだよね」レベルの自信がない限りはやめたほうがいいです。

司法書士試験の勉強は覚えることが本当に膨大。登記法という独特の法律の勉強も必要です。ほとんどの人が行政書士試験の勉強をしている余裕がなくなると思います。

現実的には、あせらずに、行政書士資格を取った後に司法書士に合格し、ダブルライセンス取得というのが順当なルートです。

 

司法書士と行政書士のダブルライセンス取得:まとめ

司法書士と行政書士のダブルライセンス取得についてのポイントをまとめると、

・司法書士と行政書士の仕事にはそれぞれの独占業務があり、できる仕事に違いがある

・試験の難易度は、司法書士>行政書士

・司法書士行政書士のダブルライセンスは仕事上かなり有利

・ゼロからのダブルライセンス取得なら、まずは行政書士

司法書士と行政書士のダブルライセンスはもちろんですが、そもそも法律系の勉強は、今まで畑違いの分野を学んできた人からすると、すごく難しく感じることも多いし、時間もかかると思います。

ましてや普段は会社で仕事していたりする人場合は、時間もないし疲れるしで、決して楽な道のりではないです。そういう意味ではいかに精神的にも前向きに、そして効率よく勉強をすすめていけるかが合格へのカギになります。

資格試験なので合格してナンボ。「どうやったら、最短で合格できるか?」と考えるのはとても大事です。

僕の場合は、記憶術を活用することで、かなり勉強時間を短縮できました。司法書士や行政書士は暗記事項が多いこともネックになりますが、記憶術は一度使えるようになれば強力な武器になるのでかなりオススメです。

 

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