ビリギャル合格は今でも可能?今再現可能なビリギャル勉強戦略を解説

女子高生イラストとビリギャルの文字

こんにちは、笹木です。

今回は一世を風靡した「ビリギャル」の勉強法についてです。

ビリギャルとは、学年ビリだったギャルが、1年で偏差値40も上げ、慶応大学に合格したという女子生徒の話で、出版された本はベストセラーとなり、映画化もされています。

有名になったからこそ、「元から賢い子だったから」「誰でも通用する方法じゃない」など言われたりします。

そんなビリギャルと勉強法の今でも活かせる部分や、逆にイマイチな点、今ビリギャルを達成するために必要な勉強法について解説してみました。

今わかる「ビリギャルは元から頭良かった説」?

ビリギャルのモデルとなった小林さやかさんという方。今は講演活動なども行っている方ですが、ビリギャルが有名になってからよく言われているのが、

『ビリギャルは、ビリだったといっても進学校の中で「ビリ」だっただけで、元から頭が良かったから合格できた』という話。

実際どうなのか?ということですが、確かに地頭は良い方だったかもしれないけど、ものすごい努力があったからこそ達成できた話なのだと、個人的には思っています。

ビリギャルは進学校出身で賢かった?

まず「出身高校がそもそも進学校だった」という噂について…

今ビリギャル本人の小林さやかさんが公開している公式の情報ではないですが、愛知淑徳学園出身という説が濃厚です。

愛知淑徳学園は、愛知の女子校御三家(「愛知淑徳学園」「椙山女学園」「金城学院」)と呼ばれている学校の1つ。本の中で書かれていた「国語算数の2教科で受験」「クラス編成はA・B・C」などの情報から推測されており、本人のFaceBookでも出身校が「愛知淑徳学園」となっていた時期もあるそうです。

では、「愛知淑徳学園」に入学できていたとすると、ビリギャルはいわゆる秀才だったのか??

これについては偏差値などを理由にかなり難関校だったのでは?と言われたりしますが、偏差値だけを見ても、母集団のレベルによってまちまちなので判断が難しいところ。

ということで愛知淑徳学園の進学実績を見てみると、例年卒業生270名ほどに対して、国公立大学の合格者が例年50~70名くらい、早慶合格者も20名前後現役で合格しているようです。

これは、県内トップの公立校レベルには劣るかもしれませんが、一般的には進学校と言われるレベルだと思います。そして、お嬢様進学校に中学受験して入学できている時点で、小学生の頃から勉強で落ちこぼれていたとか、劣等生だったとは考えにくいです。

つまり、進学校に入学したけど不真面目でビリになった女子生徒が、努力と戦略によって慶応大学に合格した、というストーリーです。

勿論、だからといって学年最下位の生徒が慶應に合格するのは簡単だったとは思いません。

ビリギャルこと小林さやかさんは今でも、努力をしたからこそ合格できたこと、楽して合格できたと思われたくないといったニュアンスの発言をされていて、本の内容も正直に書かれています。

ただ、「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」というタイトルだけを見ると、まるで底辺高校の不良少女が1年で慶応に合格できた驚異的な話というイメージをしてしまいますよね。

ですが、部活動などにあけくれていてろくに勉強してこなかった進学校の劣等生が、持ち前の要領の良さを発揮して、慶応SFCなど受験科目の少ない難関私立大学の学科に絞って合格するというのは決して珍しくない話です。

そういったことを考慮すると、「元から頭が良かったんでしょ」という意見もある意味真実。でも進学校出身でも早慶に合格できない人もたくさんいるわけで、「ビリギャルなんて参考にならない」と判断してしまうのはもったいないかな、と思います。

ドラゴン桜などと違って現実にあった本当のサクセスストーリーですし、盗めるところは受験や試験勉強に活かしていきたいですね。

今振り返るビリギャル勉強法の有効性

ビリギャルのモデルである小林さやかさん。今もメディアやSNSで、教育関連の発信をされたりしていますが、慶應大学に入学したのは2006年。

かなり昔のビリギャルなわけですが、今でも通用する勉強法なのでしょうか。

ということで、まず、そんなビリギャルの勉強法の概要をかいつまんで紹介します。

英単語は紙に大きく1回。何度も書くのはNG

ビリギャルの勉強法では、暗記すべき単語を1枚の紙に大きく書いて目につくところに貼り、それを生活の中で何度も「見る」ことで覚えるという方法が推奨されています。

そして、「何度も書いて覚える」というのは集中力が下がり非効率的であるとしています。

個人的には、「とにかく英単語自体を全然知らない」「まず単語を覚えなければいけない」という段階で行う勉強法としては、理にかなった方法かなと思います。

だって、英語って英単語→日本語を知らないと、手も足もでない。推測もできない。英語の勉強では文法より何より、まず「英単語」だと思っています。逆にいえば、英単語の意味さえわかっていれば、たとえ長文読解だって得点力は飛躍的に上がります。

そういうスペルなど細かいところは一旦おいておいて、単語の意味をまず何度も見て覚えるのは良い方法だと思います。

ただ、「何度も書いて覚える」のも無駄なことだとは思いません。

確かに、受験がすべてマーク式だけで、英作文などがないのであれば、特段書いて覚える必要はないです。ただ、英作文などスペルまで覚えるのであれば、見て覚えるだけではやっぱり弱い。

「書いてりゃ覚えるでしょ」と写経のように思考停止で手だけ動かくすのは意味がないですが、「口に出す」「見る」「手を動かす」など五感をフルに使って覚えることが記憶に効果があることは脳科学的にわかっていますし、思い出すとっかりを増やすという意味で「覚えるんだ」という意識を強く持った上で書くのは決して悪い方法ではないです。

暗記はホールド&ステップ法

ビリギャルではホールド法・ステップ法という暗記法が推奨されています。

ホールド法とは、覚えたいものをまず暗記して、覚えられたと思ったら、その後30秒間時間を空け、その後思い出そうとする、という方法です。

一度覚えても、それをごく短時間しか保ってられないもの(数字の羅列など)など短期記憶になりがちなものに使うという方法ですね。

そして、ステップ法

これは、覚えるべき内容が1~10まであった場合に、

  • 1日目は1を覚える。
  • 2日目は2を覚え、1と2を覚えてるかテスト。
  • 3日目は3を覚え、1と2と3を覚えているかテスト。
  • 4日目は4を覚え、1と2と3と4を覚えているかテスト。

というように覚えていく方法です。ステップ法という名前がついていますが、多くの人も無意識に実践していそうな暗記法ではないかと思います。

これも、間違っている勉強法だとは思いませんが単純な暗記であれば、場所法などの記憶術を利用した方がより効率的だと思います。

日本史は漫画で覚える

ビリギャルは日本史の勉強について、漫画を読むことで流れを覚えたそうです。これも、よく聞くやり方と感じる方もいるかもしれませんが、有効な方法だと思います。

特に、日本史など歴史に全然興味がなく、覚える気すら湧かない、という方にとってはまず大枠をつかむという意味では効果的。

ただ、漫画だけですべての対策ができるかというと、勿論無理なので、あくまで「流れをつかむために」読むという前提です。

復習を前提に問題に書き込む

間違えた問題については印をつける。そして解法のキーワードやヒントとなるようなことを書き込んでおくという方法も紹介されていました。

確かに大事なのは正答できた問題ではなく、間違った問題。また、復習の際にヒントとなる書き込みを元でも、「自力ですべて解き切る」という癖をつけられるのはよいと思います。

ただ、結局ゼロから解けなくては意味がないので手も足もでなかった問題に絞ってこの方法を実践する方が良さそうですね。

ビリギャル勉強法の今でも活かせる部分

ビリギャル勉強法について解説してみましたが、色々な勉強法が研究されてきた今、ビリギャルはすごく効果的な勉強法だったか?と言われるとそうでもないかな、というのが正直なところです。

今考えても努力ありきのビリギャル

ビリギャルが慶応に合格したと聞くと「いったいどんな手を使ったのか??」と思いがちですが、魔法のような勉強法のおかげではなく、むしろ、他の人の何倍も努力できる、努力の人だったからだろうな思います。

これは完全な個人の感想になってしまいますが、今、ビリギャルこと小林さやかさんが発信している姿などを見ても、負けん気の強さ・転んでもタダでは起きないぞというような性格が感じられるんですよね。メンタルが強そうといいますか。

今も使えるビリギャルの本質的戦略

じゃあ今、ビリギャルから学べることは何なのか?というと根性を鍛えろ!とかそういうことではなく、合格への戦略です。

何が一番良かったかというと、慶応大学の中でも、SFCなどの、英語・歴史・小論文(国語)という3科目だけで受験できる学部に絞ったこと。正直、これに尽きると思います。

もし、5科目も勉強しないといけなかったりしたらこう上手くはいってなかったかもしれません。

当たり前なことのように思えるかもしれないけど、初期段階でこういった決断を戦略的にできる人って案外少ないです。初めに、自分の得意な最低限の科目で受験できる大学を決めたこと。そうすることで自分のリソースをすべて3科目に注ぎ込め、効率よく勉強できたのだといえます。

大学選びに限らず「捨てるべきところは潔く捨て、取れるところを全力で拾う」というのは試験合格を考えたときの鉄則だと思っています。

試験中につい「あ、これ勉強してきたのに」みたいな余計な雑念のせいで得点できない問題に執着して時間を食って、後半の取れるべき場所を落としてしまう…みたいなパターンは絶対に避けなければいけないです。

今も使えるビリギャル的リサーチ法

ビリギャルが狙ったの慶応のSFCなどは、少ない科目で受験可能で、またそのうち1つが小論文だったりします。こういう試験の科目構成に目をつけたのは賢いし、こういった事前リサーチって大事です。

ちなみに、こういったビリギャルのような少ない受験科目を狙えるのは私立大学というイメージがありますが、今では国公立大学でも意外と多く(東京都立大学・横浜市立大学・東京外語大学・金沢大学など)、意外とたくさんあります。

しかも、こうしたことを事前にしっかりリサーチしている人は案外少なく、穴場であることも多い。

また大学受験だと共通テストと2次試験の配点比率なども重要です。自分の強みを活かせる部分の配点が高くとなっている学部を選ぶだけでも、合格のしやすさはぐんと変わってきます。

これはなにも、ビリギャルの大学受験だけではないです。

就職でも公務員試験でも面接が得意なら面接重視のところ、筆記が得意なら筆記重視のところを選ぶ。資格試験でも配点比率の高い分野を極める。

もちろん、やりたいことが明確に決まり、進路などが限定されている状況だと、受かりやすさと天秤にかけるのが難しいこともあると思いますが、試験は合格してナンボ。受けても落ちてしまったら何の意味ないのです。

そういう意味では、「茨の道を自ら進みすぎていないか?」と自分に問うことは大切だし、1ミリでも自分が有利になる努力は何でもすることこそ、今でも重要なビリギャル的戦略ではないかと思います。

ビリギャル「地頭は関係ない」の真実

「ビリギャル」の著者であり、ビリギャルを塾で指導した坪田先生。今では企業の人材育成コンサルなども行っているそうですが、そんな坪田先生によれば「地頭は勉強に関係ない」のだそうです。

坪田先生の著書やインタビューによると「勉強は答えが決まっているからやればどんな子でも伸びる」「地頭が良い・悪いというのは試験の合格・不合格から後付けで言われているだけ」という考え。

これについては、僕もすべて共感できるわけではないですが、「地頭は関係ない」というのはある意味正しいと思っています。

「勉強に地頭は関係ない」なんて言われても、普通に考えたらそんなわけないと思う人が大半かと思います。

「勉強はやれば誰でもできる」論。そりゃあ受験勉強レベルっていくらでも時間をかけてよければ地頭関係なく、ほとんどの人が大半のことを理解できる内容ではあると思います。

ただ、時間は有限で、限られた時間で考える・覚える・処理するという大前提があります。ちょろっと聞いて解法をだいたい理解・記憶できる人と、何回も繰り返してやっと覚えられる人。

同じ条件で勉強すれば、地頭の善し悪しで、勉強効率に差がでてしまうのは避けられないです。今のビリギャル本人の姿を見れば、本人がいくら否定しても「地頭が悪い人」には見えないし、それに加えかなり努力もされた結果の成功というのが実際のところなんだろうなと思います。

今ビリギャル合格を再現する勉強法

ただ、ビリギャルの恩師坪田先生がおっしゃるように、試験で必要な勉強というのは、必ず答えや解法が決まっているもの運動や芸術と違い、地頭が良い人のセンスを凡人のテクニックで凌駕できるのが勉強です。理屈さえわかれば、誰でも「解けるように」なる。これは試験勉強の素晴らしいところだと思います。

ここでいうテクニックとは「いかに少ない労力で効率よく記憶するか、理解するか」ということで、ではどうやってその他大勢の人と差をつけるかという話になりますが、やはり効果的なのは記憶術の活用です。

最もオーソドックスな記憶術である「場所法」は英単語の暗記などにも利用できますし、別の記憶術ではありますが僕自身、勉強の効率性を桁違いに上げて多くの試験に合格できるようになったので、記憶術を使えるかどうかで暗記や理解にかける時間をかなり圧縮できると思います。

今でも使えるビリギャル戦略:まとめ

ここまで、今だから見えてくるビリギャルの勉強法や効果などを紹介・検証してきましたが、僕の意見も含めて軽くまとめてみますと、

  • ビリギャルは地頭が良かった可能性は高いが、それを考慮しても努力と戦略があったからこその慶応合格
  • ビリギャル勉強法は今では割と王道な勉強法。
  • ビリギャル戦略の肝は自身の強みを活かすための事前リサーチ力であり、自分が少しでも有利になるためのリサーチ努力は今も重要。合格のためには「捨てる」選択もとる勇気を持つ!
  • ビリギャル本の「地頭は関係ない」はある意味真実。受験合格に限らず勉強は効率さえ極めれば勝てる。記憶術などのテクニックを駆使して差をつけるのは今も有効な勉強法。

ということで、一世を風靡したビリギャルについて、今だからこそ思うところもあったので紹介してみました。今回の内容が参考になれば嬉しいです。

ではでは

おまけ記事

勉強嫌いで、何をやっても上手くいかない、コンプレックスの塊だった僕が、
どうやって記憶術で人生を変えられたのか。その理由を以下の記事で公開しています。

胡散臭い記憶術を知って人生激変した落ちこぼれの話

 

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